1. はじめましょう

ここでは、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)として業界標準の地位にある、 デジデザイン社のProToolsを中心に勉強していきます。 主なバージョンは、6.9が中心となりますが、7.xについても分かる範囲で取り上げていくつもりです。 まずは、DAWに関わる基本的な用語を取り上げます。

ハードディスクレコーディング

昔のテープレコーダーなどは、音というアナログデータを磁気の変化(アナログデータ)として録音する アナログレコーディングであった。 現在では、音というアナログデータをデジタルデータに変換してから録音する デジタルレコーディングが主流になりつつある。 デジタルレコーディングでは、デジタルデータをDAT(Digital Audio Tape)や8mmテープに録音するものと MDやハードディスクに録音するものがある。このときハードディスクに録音する場合を、 ハードディスクレコーディングという。

ノンディストラクティブ編集

DATや8mmテープなどにレコーディングした場合、編集を行うとオリジナルのデータが変更されてしまう。 このような編集方法をディストラクティブ編集と呼んでいる。 一方、ハードディスクレコーディングでは、編集作業の大部分は、オリジナルデータを直接変更せずに、 データを読み出す順番や別のデータを仮想的に作成することで行っている。 このようなオリジナルのデータを変更せずに行う編集をノンディストラクティブ編集と呼ぶ。

DSPボード

デジタルシグナルプロセッサ (digital signal processor, DSP)ボードは、 デジタル信号処理に特化したマイクロプロセッサ搭載のボードである。

オーディオ・インタフェース

コンピュータでオーディオ信号を扱えるようにするための装置である。

DAW(Digital Audio Workstation)

DAWとは、 デジタルでオーディオの録音、編集、ミキシングなどの作業を行うことができるように構成されたシステムのことである。 専用機とパーソナルコンピュータを利用したシステムがある。

パーソナルコンピュータを利用したDAWにはオーディオ処理を行う装置によって大きく2種類の方式に分類される。 一方は専用のDSPボードをパーソナルコンピュータに接続してそのボードでオーディオ処理を行うものであり、 もう一方はパーソナルコンピュータのCPUでオーディオ処理を行うものである。 いずれの場合もパーソナルコンピュータにオーディオインタフェースやDSPボードなど、 必要なハードウェアを追加した上で専用のソフトウェアアプリケーションを実行することで動作する。

ProTools HDシステム

ProTools HDシステムは、 ProTools HDハードウェア(オーディオ処理専用DSPを搭載した専用ハードウェア)と ProTools HD softwareを使用するシステムである。 ProTools HDシステムでは、Coreカードと呼ばれる専用カードと オーディオ入出力を扱うためのオーディオ・インターフェースが必要である。

ProTools LEシステム

Pro Tools LEシステムは、 オーディオ及びMIDIとやり取りするハードウェア・インターフェースPro Tools LE softwareで構成されている。 ProTools HDシステムとの大きな違いは、オーディオ処理に専用のDSPボードを使用せず、 コンピュータのCPUを使ってオーディオ処理を行う点である。

また、デジデザイン社が推奨するM-Audio社製オーディオ・インタフェースPro Tools M-Powerd software(M-Audio社用のProTools LE)で構成されているものを Pro Tools M-Powerdシステムと呼ぶ。

Mbox

Mboxは、デジデザイン社が製造したPro Tools LEをベースとし、Window XPまたはMac OS Xコンピューターで動作するフル機能、 USB対応のプロフェッショナルかつコンパクトなポータブル・オーディオ・プロダクション・システムである。

  

現在は、Mboxは、新しいハードウェアMbox2になっている。Mboxと大きく異なる点はMIDI入出力端子を装備したことである。

ページの先頭に戻る


Copyright © 2006 御隠居 (滄洲). All Rights Reserved.