1. 音とは何か?

とは、簡単に言ってしまえば「振動」です。振動の発生源はいろいろあります。 バイオリンのように弦をこすったり、人間の声帯による発声、太鼓などを叩くなどさまざまです。 このようにして発生した振動が物質に伝わり、それが我々の耳に届き、脳が音として認識しています。

振動を伝える物質には気体、液体、固体がありますが、ここでは気体、特に空気を前提に考えます。 振動が発生すると、それによって空気の分子が動きます。つまり気圧の変化として空気中を伝わります。

音と波

一般に振動が伝わるものを「波」で表現することが多い。代表的なものとして、水面に石を投げて、その振動が伝わる「波」があります。 こ波には横波縦波(疎密波)があります。

横波

代表的なものとして、水面に生じる波が横波になります。 これは振動の伝わる方向が波の進行方向と直角になる波です。一般的に下のような図で表現され、ある地点を見た場合、 それは上下の動き(振動方向)として見えます。

横波の模式図

縦波(疎密波)

代表的なものとして、音波が縦波になります(下の分かりにくい図は、バネだと思ってください)。これは振動の伝わる方向と波の進行方向が同じ方向となる波です。 縦波では振動方向と波の進行方向が同じであるため、ある点の間隔が密になったり、広くなったりします。 縦波では、この疎密が生じることから疎密波とも呼ばれます。

縦波の模式図

縦波を横波のように表現する

縦波を単純に図で表すと元の位置からの点のズレでしか表現できません。 これは視覚的に分かりにくいので、そのズレを横波のように表現することが普通です。 音は縦波ですから、オシロスコープなどで横波のように見えているのは、 縦波を横波のように見せて、視覚的に分かりやすくしたものです。

縦波を横波のように見せる模式図

耳の構造

次に音を聴く最も重要な器官である耳について見てみましょう。我々は単に「耳」と呼んでいますが、 実際には、外耳・中耳・内耳という3つの部位に分類されます。

耳の構造図

外耳

耳介で音を集め、外耳道を通って音を中耳に伝えます。 外耳道では音を増幅させる効果があり、その音によって鼓膜が振動します。

中耳

鼓膜の奥は鼓室と呼ばれ、鼓膜には3つの耳小骨(つち骨、きぬた骨、あぶみ骨)がつながっています。 鼓膜が振動すると、鼓膜につながっている耳小骨を経由して内耳に伝わります。

内耳

内耳は、蝸牛と平衡感覚を司る三半規管などから構成されています。 蝸牛はカタツムリのような形をした器官で、その中にはコルチ器(管)と呼ばれる器官があります。 コルチ管の中には、約25,000個の直径10μmほどの有毛細胞(聴細胞)があります。 この有毛細胞には、うぶ毛のような小突起(感覚毛)があります。 中耳の耳小骨から内耳の前庭(卵形)窓へ伝えられた音の振動は、 コルチ管内のリンパ液と感覚毛を揺らし、その振動を神経パルスに変換し、 神経パルスは聴神経を伝わり、脳へと伝達されます。

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