4. 音の速さ
音の速さのことを「音速」と呼ぶ。また、光の速さを「光速」と呼ぶ。 まあ、この辺りは常識的なことだから問題ないだろう。また、音速は光速よりも極めて遅い。 どのくらい遅いかというと、一般に音速が1秒間に約340mと言われているが、 光は1秒間に約30万kmである。つまり約100万倍も速い。
つまり、日常生活で言う映像が我々の目に届く速さは光の速さで、音は音の速さであるということだ。 そのため、映像と音の発生地点が同一場所で、聴く人間の位置がそこから遠いほど、映像と音がずれる、 すなわち音が遅れて聴こえるという現象が起きる。
さて、音速が1秒間に約340mと前に出てきたが、正確にはどうなっているのだろう。音速は以下の式で計算できる。
音速[m/s] = 331.5+0.6t t:温度(摂氏℃)
つまり、温度が0度のとき約331m/s、温度が15度のときは、1秒間に約340mとなるわけだ。
C = 331.5+0.6・15 = 340.5 [m/s]
また、この式からも明らかなように、温度が上がれば上がるほど音の速さも速くなることになる。
実際には、気圧、風などの影響も受け、さらには音の屈折という現象もあり、 野外等では環境によっては随分と音の聴こえ方が違って来ることになる(注意が必要だ)。
また、映像と音がずれるということを前述したが、衛星を使った映像と音では、若干事情が違って来るらしい。 映像と音が同じ経路を辿ってくれればいいのだが、映像は衛星、音は地上の電線と言った場合、衛星を経由する方が、 0.27秒遅れる。つまり、映像を衛星経由、音を地上の電線とした場合、音が映像より0.27秒速く聴こえてしまうことになる。 通常、ポスプロの制作では映像と音声のズレとして許容できる範囲は30ms〜50msとされている。 つまり、それに比較して0.27秒(270ms)は十分に大きすぎる値ということになる(これも注意が必要だ)。