8. 交流抵抗(リアクタンス)

直流回路では抵抗のみを考えて、電圧・電流との関係をオームの法則で表現しました。 これと同じように、交流回路においても抵抗、電圧、電流との関係をオームの法則で考えることができます。 このとき交流における抵抗成分のことをリアクタンスと呼び、単位は抵抗と同じオーム[Ω]を使います。

抵抗のみの回路

抵抗のみの交流回路では、電圧と電流の位相は同相となり、直流回路の場合とまったく同じようにオームの法則を使うことができます。

I=V/R [A]

コイルのみの回路

コイルの性質を表すインダクタンス(単位:ヘンリー[H])は、交流における電流の流れにくさ(コイルの抵抗成分)を表しています。 ただ、実際には同じコイルを使用しても流れる交流の周波数によって実際のリアクタンスは変化します。 このときコイルのリアクタンスXは次式で表現されます。

=2πfL [Ω]
    f:周波数 [Hz]
    L:インダクタンス [H]

コイルのみの交流回路では、電圧と電流の位相は電圧に対して電流が90度遅れます。 また、リアクタンスXを直流回路の抵抗と同じように考えてオームの法則を使うことができます。

I=V/X [A]

コンデンサのみの回路

コイルは、周波数が高い交流ほど通しにくく、直流は通すという性質があります。 コンデンサは、その逆で、周波数の高い交流ほど通しやすく、直流は通さない性質があります。 コンデンサの性質を表す静電容量(キャパシタンス、単位:ファラド[F])は、コイルのインダクタンスに相当するものであり、 コンデンサの場合もコイルと同様に、そのリアクタンスは交流の周波数によって異なってきます。 このときコンデンサのリアクタンスXは次式で表現されます。

=1/2πfC [Ω]
    f:周波数 [Hz]
    C:キャパシタンス [F]

コンデンサのみの交流回路では、電圧と電流の位相は電圧に対して電流が90度進みます。 また、リアクタンスXを直流回路の抵抗と同じように考えてオームの法則を使うことができます。

I=V/X [A]

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