4. 抵抗率

電線などの電気を流す物質を「導体」といい、反対に電気を流さない物質を「絶縁体(不導体)」と言います。 また、その中間の性質を持った物質を「半導体」と呼びます。

導体は電気を流す物質ですが、物質によっては流れにくいものもあります。 物質ごとの電気の流れにくさを表す指標が「抵抗率」です。通常、記号ρ(ロー)、単位は[Ωm]で表します。 また、実用的に単位に[Ωmm2/m]を使用することもあります。

抵抗率は、同じ温度における単位長さ、単位断面積あたりの抵抗を意味し、物質ごとにその値が決まっています。

  • 軟銅: 1.72×10-2[Ωmm2/m]
  • アルミニウム: 2.75×10-2[Ωmm2/m]

つまり、物質の抵抗R[Ω]は、断面積に反比例(断面積が大きくなると抵抗が小さくなる)し、 長さに比例(長くなると抵抗が大きくなる)します。これを式で表すと次のようになります。 また、直径d[mm]が分かれば、断面積は計算できるので、直径を利用した式で表すこともあります。

R = ρ・(l/A) [Ω]

抵抗率は、電気の流れにくさを表す指標ですが、電線の場合には、電気の流れやすさで表した方が便利な場合があります。 そこで、抵抗率とは逆に電気の流れやすさを表す指標として「導電率」があります。 導電率は、記号σ(シグマ)、単位[S/m]で表します。

導電率は、抵抗率の逆ですから、次式で表現します。

σ = 1/ρ

この式の単位計算を行うと、以下のようになります。

1/Ωm = (1/Ω)・(1/m) = S・(1/m) = S/m

このとき抵抗の逆数(1/Ω)を意味する単位がS(ジーメンス)です。 この導電率を使って抵抗を表す式は次のようになります。

R = ρ・(l/A) = l/σA [Ω]

これまでの関係を簡単にまとめると次のようになります。

長さlと抵抗Rの関係

長さlと抵抗Rは比例する。つまり長さが2倍になれば抵抗も2倍、長さが1/2倍になれば抵抗も1/2倍になる。

断面積Aと抵抗Rの関係

断面積Aと抵抗Rは反比例する。つまり断面積が2倍になれば抵抗は1/2倍、断面積が1/2倍になれば抵抗は2倍になる。

直径dと抵抗Rの関係

直径dの2乗と抵抗Rは反比例する。つまり直径が2倍になれば抵抗は1/4倍、直径が1/2倍になれば抵抗は4倍になる。

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