10. インピーダンス(2)
R-L並列回路
抵抗(R[Ω])とコイル(L[H])が並列接続された交流回路を考えてみる。
並列回路の場合、抵抗、コイルにかかる流れる電圧は全体の電圧V[V]に等しい。このとき、抵抗部分の電流をIR、 コイル部分の電流をILとすると、それぞれの電流は、次のように表せる。
IR = V/R IL = V/XL ただし、XL=2πfL
ここで注意しなければならないのは、位相である。抵抗部分の電圧と電流は同位相であるが、 コイル部分の位相は、電流が電圧より90度(π/2)遅れている。 ここで並列回路の場合、電圧を基準に考えると次のような関係になる。
つまり、抵抗とコイルで位相が異なるので、ベクトルで考える必要があるわけだ。 ということで、2つの電流の合成電流、すなわち、I[A]は次のようになる。
これを三平方の定理で考えると、
となります。このときインピーダンスZはオームの法則と同様に考えることができるので、 R−L並列回路のインピーダンスZは次式で計算できることになります。
R-C並列回路
次に抵抗(R[Ω])とコンデンサ(C[F])が並列接続された交流回路を考えてみよう。
並列回路の場合、抵抗、コンデンサにかかる流れる電圧は全体の電圧V[V]に等しい。このとき、抵抗部分の電流をIR、 コンデンサ部分の電流をICとすると、それぞれの電流は、次のように表せる。
IR = V/R IC = V/XC ただし、XC=1/2πfC
このときコンデンサ部分の位相は、電流が電圧より90度(π/2)進んでいる。 ここでR−L並列回路と同様に考えると次のような関係になる。
つまり、R−L並列回路と同様に抵抗とコンデンサで位相が異なるので、ベクトルで考える必要があるわけだ。 ということで、2つの電流の合成電流、すなわち、I[A]は次のようになる。
このときインピーダンスZはオームの法則と同様に考えることができるので、 R−C並列回路のインピーダンスZは次式で計算できることになります。
R-L-C並列回路
最後に抵抗(R[Ω])とコイル(L[H])、コンデンサ(C[F])が並列接続された交流回路を考えてみる。
これまでと同様に、抵抗部分の電流をIR、コイル部分の電流をIL、コンデンサ部分の電流をICとすると、 それぞれの電流は、次のように表せる。
IR = V/R IL = V/XL IC = V/XC ただし、XL=2πfL, XC=1/2πfC
この場合もこれまでと同様に考えればよい。 コイル部分の位相は、電流が電圧より90度(π/2)遅れ、コンデンサ部分の位相は、電流が電圧より90度(π/2)進んでいる。 つまり、誘導リアクタンスと容量リアクタンスの向きが正反対であり、その差が合成リアクタンスとなる。 このことからR-L-C並列回路全体の合成電流I[A]は次のように図示できる。
そこでR-L-C並列回路もこれまでと同様に、三平方の定理で考えると、3つの電流の合成電流、すなわち、I[A]は次のようになる。
つまり、R−L−C並列回路のインピーダンスZは次式で計算できることになります。