3. 練習してみよう(1)
練習1
図のような回路において、電流計
の値は何アンペアになるか?

まず、最初に合成抵抗Rを求め、回路全体を流れる電流Iを計算する。
並列部分を和分の積で求め、残りは直列接続なので、その総和を求める。
R = {3・6/(3 + 6)} + 6 = 8 [Ω]
オームの法則により電流を計算する。
I = 48/8 = 6 [A]
次に並列部分の電流値は回路全体を流れる電流値に等しいから、
分流の式により電流計を流れる電流値を計算する。
Ia = {6/(3 + 6)}・I
= {6/(3 + 6)}・6 = 4 [A]
よって、答えは4[A]となる。
練習2
図のような回路において、電流計
の値が
2アンペアのとき、電圧計
の値は、
何ボルトになるか?

電流計の値が分かっているので、8[Ω]にかかる電圧(Va)を計算する。 Va = 8・2 = 16 [V] 並列接続の抵抗には、電圧が等しく掛かるので、Vaを使って各電流値を計算する。 上段 I1 = Va/(4 + 4) = 16/(4 + 4) = 2 [A] 中段 I2 = 2 [A] 下段 I3 = Va/4 = 16/4 = 4 [A] 並列部分全体にかかる電流は、各電流の総和になるので、 I = I1 + I2 + I3 = 2 + 2 + 4 = 8 [A] 直列接続にかかる電流値は等しいので、Iを使って電圧を計算する。 V = 4・I = 4・8 = 32 [V] よって、答えは32[V]となる。
練習3
図のような回路において、電圧計
の値が0のとき、
抵抗Rは何オームになるか?

電圧計の値が0を指しているということは、2Ωの抵抗にかかる電圧V1と
5Ωにかかる電圧V3が等しく、また、RΩの抵抗にかかる電圧V2と10Ω
にかかる電圧V4も等しくなるということだ。
V1 = V3 または V2 = V4
分圧の式によりV2とV4を計算する。
V2 = {R/(2 + R)}・V
V4 = {10/(5 + 10)}・V
ここで、V2 = V4 であるから、
{R/(2 + R)}・V = {10/(5 + 10)}・V
{R/(2 + R)} = {10/(5 + 10)}
R = (2 + R)・2/3
3R = 4 + 2R
3R - 2R = 4
R = 4 [Ω]
よって、答えは4オームとなる。
上のような回路をブリッジ回路と呼ぶ。一般的な形は次のような回路図となる。

このとき電圧計(実際には、電流計、検流計でもよい)が0を指示する場合、 上記の問題と同じように考えてみる。
電圧計の値が0を指しているということは、抵抗R1にかかる電圧V1と
抵抗R3にかかる電圧V3が等しく、また、抵抗R2にかかる電圧V2と抵抗R4に
かかる電圧V4も等しくなる。
V1 = V3 または V2 = V4
分圧の式によりV2とV4を計算する。
V2 = {R2/(R1 + R2)}・V
V4 = {R4/(R3 + R4)}・V
ここで、V2 = V4 であるから、
{R2/(R1 + R2)}・V = {R4/(R3 + R4)}・V
{R2/(R1 + R2)} = {R4/(R3 + R4)}
R2(R3 + R4) = R4(R1 + R2)
R2R3 + R2R4 = R1R4 + R2R4
R2R3 = R1R4
つまり、対角上にある抵抗の積が等しくなるとき、 電圧計の値が0を指すことになる。これをブリッジ回路の平衡条件という。 これは大事な式なので覚えておく方が良い。
ブリッジ回路の平衡条件 R1R4 = R2R3

